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2013年3月21日 (木)

桂枝雀さんの笑いの理論「緊張の緩和」

天才落語家、桂枝雀師匠の名演目「高津の富」動画

宿屋の富(やどやのとみ)は古典落語の演目の一つ。上方落語では、高津の富(こうづのとみ)と呼びます。

高津神社で宝くじ(富くじ)の二等が当たることを神のお告げで決まっていると思い込んでいる。

最大の山場は、その宝くじの発表の場面です。

桂枝雀師匠の独特な身振り手ぶりによる芸風は、唯一無二だと思います。

なお、桂枝雀師匠は、この「高津の富」を英訳した英語落語を、ロンドンなどで公演しました。

桂枝雀

coldsweats01桂枝雀


(*) 高津宮(高津神社)
http://www.kouzu.or.jp
古典落語「高津の富」の舞台にもなった高津宮。
境内の参集殿は「高津の富亭」と名づけられており、落語の寄席や文楽などが行われています。
所在地;大阪市中央区高津1丁目1番29号
アクセス;地下鉄谷町線「谷町九丁目」駅下車、 2番出口より徒歩5分







桂枝雀らくごDE枝雀

shine「らくごDE枝雀」


桂枝雀師匠は、「笑い」に関して、「緊張と緩和」あるいは「緊張の緩和」という理論を持っておられました。

簡単に解説すると、「場の雰囲気が緊張している時に、その緊張をふっと緩和させると笑いが生まれる。」ということです。

(上岡龍太郎さんと桂枝雀師匠との対談で、緊張の緩和理論について述べている動画がYouTubeにアップされていることがあります。)
http://bit.ly/XZhKM0

ちなみに、18世紀のドイツの哲学者・カントは 「笑いとは、緊張した予期が突然無になることから生じる情動である。」と述べています。

(ドイツ語) Das Lachen ist ein Affekt aus der plotzlichen Verwandlung einer gespannten Erwartung in nichts.
(英語) laughter is an affection arising from a strained expectation being suddenly reduced to nothing.


なお、桂枝雀師匠は、著書「らくごDE枝雀」の中で、人が笑う理由笑いのメカニズム)として、落語のサゲ(落ち)を4つの型(「ドンデン」,「謎解き」,「へん」,「合わせ」)に分類して解説しています。

私は、落語、特に古典落語は、落語家によって引き継がれているだけだと思っていたのですが、桂枝雀師匠のような笑いに対する深い考察を垣間みると、奥の深さに感心します。まさに、学問です。

桂枝雀師匠は、経歴もユニークで、中学の時に父が病死し、卒業後に就職して定時制高校に通います。その後、神戸大学文学部に進学するも、1年で中退。「大学がどんな所か大体分かりました。」とのことです。
桂米朝師匠に入門し、テレビやラジオでも活躍しますが、うつ病を発症します。
残念ながら、1999年4月19日に首つり自殺で他界されました。(満59歳没)

芸を追求しすぎたことが精神の病に至ったのかもしれません。

独特な身振り手ぶりによる芸風は、単に威勢のいい芸風ではなく、深い理論を体現したものなのだと思います。

天才落語家であることは間違いありません。








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